YouTube用のマイクは、どれを使うといいのかなぁ
最近YouTubeを視聴していて気になることがあります。
意外とトップクリエーターの方でも音の作り込みが、良くないなと思うことが多々ありました。
こんな経験ありませんか?
●メインの演者の声よりカメラマンや裏方の相槌の声の方が大きくて聞き取りづらい
●喋っている音量が小さく、CMに変わると音が爆音になる
●音がスカスカで内容が聞き取りづらい
いくら映像が良くても、何を話しているのかが視聴者に伝わらなければ意味がありません。
マイクには様々な種類があり、それぞれ特性があります。
自分の「やりたいこと」によってマイク選びも変わってきます。
初心者の方は、その種類の多さにどのマイクを買おうか悩んでしまいます。
YouTubeをはじめるにあたって悩みがちなマイクの選び方を、音響エンジニアとしての経験がある私が、実際に使ったことのあるマイクを元にオススメを簡潔に解説します。
【YouTubeで失敗しないマイク選び】プロが教えるオススメ5選
マイク選びのポイント
マイクの規格には、USBで接続するマイクやビデオカメラやスマホに取付るコンシューマタイプと、汎用的に使える業務用タイプの2つに分かれます。
私は汎用的に使える業務用タイプをおすすめしてます。
マイクは、その良し悪しが金額によって顕著に現れます。
高いマイクほど、質が良く長く使うことができます。
過酷な現場環境で、同じマイクを10年使っている音響エンジニアなんでザラにいます。
マイクは本来、そのくらい長持ちする道具なのです。
USB接続やカメラ・スマホに直接取り付けるコンシューマタイプのメリット・デメリット
●メリット
- 接続が簡単
- 比較的安価で購入できる
●デメリット
- 接続が個体に依存する。(使っているカメラやスマホの規格が変わると使えなくなる)
- 音質が悪いものが多い(電気的にノイズの影響を受けやすい)
- マイクは基本1本しか使えない
コンシューマタイプは接続や取扱は比較的簡単に行えます。
しかし、ノイズに弱いので音質的にも不利です。
また、独自規格などはこの先使えなくなる可能があります。
例えばiPhone用のマイクを買ったとしても、今後Lightningが廃止されたら使えなくなりますよね。
この先、マイクを2本、3本と増やしたいと思っても拡張性がない為できません。
販売価格が安いものは、粗悪なものが多いです。
業界標準タイプ(プロ用)のメリット・デメリット
●メリット
- 接続方法が規格化されているので、どのマイクを使っても接続できる
- 汎用性が高いのでマイクの本数を増やすなどのシステム拡張が容易でできる。
- アース線があるのでノイズに強い
- 歴史ある音響メーカーが作っているので、音の設計がしっかりしている
●デメリット
- 取扱には一定の知識を要する
- 価格は少々割高になる
- 別途、ミキサーやオーディオインターフェース、音声レコーダーなどの外部機器が必要になる
取扱には一定の知識が必要なのと 、コンシューマ機に比べて割高です。
しかし国際規格の商品なので、カメラやスマホの独自規格などに依存せず長く使えます。
音響業界で一般的に使われてるキャノンコネクター(XLRコネクター)は50年以上前から今でも同じ規格が使われているのがその証です。
また、2人以上での喋りとなると、必然的にマイクの本数を増やす必要がありますが、そういった拡張性にも対応します。
プロ用は難しそうだから、自分は簡単なものでもいいや
本気でYouTubeをやらない方、100%マイクを1本しか使わないと決めている人は、それでもいいかも知れませんが、先を見据えてる方は絶対にプロ用をおすすめします。
結局やりたいことが増えていくと、買いなおしになり余計な出費となります。
沼に陥らない為には、プロ用が必須といえます。
マイクの種類
マイクの種類は、大きく分けてダイナミックタイプ・コンデンサータイプ・ワイヤレスタイプの3種類あります。
自身が展開する収録スタイルや予算に合わせて、選んでください。
有線のダイナミックマイク
オススメ度:★★★★☆
- 比較的安価に購入できる
- マイクから離れた所の音を集音するのには向かない
- 作りがシンプルなので、比較的堅牢性が高い
- 電源を必要としない
- 調整が必要ないので初心者にオススメ。
ダイナミックマイクのオススメ
SHURE SM58
音響業界では定番中の定番のダイナミックマイクです。テレビを見ていても良く使用されていたりします。低音から高音まで、バランス良く集音してくれるマイクです。指向性もカーディオイドタイプで、マイクの正面のみの音を集音するため周りの雑音も集音しにくいです。マイクは口元の近く10cm〜15cmくらいに設置する必要があるのでYouTubeの画面上には映り込んでしまいます。価格は10,000円前後です。
●ダイナミックマイクを使っている例
有線のコンデンサーマイク
オススメ度:★★★☆☆
- 比較的値段が高額
- マイクから離れた所の音を集音するマイクがあるなど指向性の種類が豊富
- 乱暴に扱うと、すぐ壊れる
- 使用するのにファンタム電源を要する
- 場合によってはイコライザーなどで、音質を調整する必要がある
コンデンサーマイクは用途に応じて、様々な種類があります。
今回は利用シーンに合わせて一番オーソドックスなものを紹介します。
1本で全体を満遍なく集音できる「バウンダリーマイク」
1本のマイクで全体の音声を拾ってくれるマイクです。
数人で撮影をする時などに重宝します。
マイクの見た目も目立たなく、カメラの映り込みも気にせずに撮影ができます。
良くも悪くも「自然」な感じなので、決して音質が良いかと言うと一概にはいえません。
コンデンサーマイクのオススメ(対談系)
CROWN バウンダリーマイク PCC-160
卓上や床に置いても優れた集音能力を発揮するバウンダリーマイクの超定番。4人くらいの対談ならこのマイクで問題なし。設置しても目立たないので対談形式の収録にオススメです。
ナレーションや環境音の収録に適している、オールラウンダコンデンサーマイク
映像に後から、ナレーションを乗せたり料理などの環境音を繊細に収録するのに適しているマイクです。
コンデンサーマイクのオススメ(ナレーション系)
AKG C314
指向性を4パターン変えられるので、ナレーションから、対談形式、環境音の集音まで難なくこなします。1本持っておくと様々なシーンで活用できること間違いなしです!
マイクから少し距離があっても、喋り手を集中的に狙える「ガンマイク」
綺麗なマイクの集音には通常、音源とマイクの距離を近くにすることが大前提となりますが、このガンマイクを使えば、超指向性でピンポイントで集音することが可能となります。
コンデンサーマイクのオススメ(ロケーション系)
SENNHEISER MKE600
映像的にマイクを画角外に設置したい場合や、屋外などの集音が難しい所、ビデオカメラに取付けて1オペレーションで撮影をする時にオススメです。
ワイヤレスマイク
オススメ度:★★★★★
- ケーブルが無いので自由に動き回れる
- 値段が高い
- 精密電子機器なので、取扱は要注意
- 口とマイクの距離がほぼ一定なので、収録音量が変わりずらい
- マイク本体の他に受信機も必要になる
- どのジャンルでも最強に使える
ワイヤレスマイクのオススメ(ピンマイク)
SONY ワイヤレスピンマイクセット UWP-D21
小型の送信機・受信機のペアセット。屋外のロケーションや、多人数の対談時全てのキャストに装着すれば、かなり質の良い音質で録音ができます。予算があるのなら全てのジャンルで使えるのでワイヤレスピンマイクがオススメです。シューマウントがあるので、手持ちのビデオカメラにも取付もできます。
●ワイヤレスマイクを使っている例
まとめ
自身のやりたいスタイルや、予算に応じてマイクを選んでみてください。
本気でやるなら間違いなくワイヤレスマイクがオススメです。
価格は高いですが、どんなジャンルにも使えるので無駄には絶対にならないと思います。
予算を抑えてシンプルに喋るだけならダイナミックマイクがいいでしょう。
何かと使い勝手がいいので、1本持っておいてもいいと思います。
周波数特性を理解して使うならコンデンサーも悪くありませんが、やりたいスタイルに合わなかった場合、無駄になるかもしれません。上級者向けといえます。
今回ご紹介したマイクはマイク単体では音声収録できません。
別途ミキサーやレコーダーが必要になります。
その選定は、別記事でご紹介します。
マイクは何に使用するかによって、様々な種類があり奥が深いです。
是非様々なマイクを検討してみてください。
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